お葬式情報
【2022年秋彼岸】お彼岸の始まりは怨霊を鎮めるためだった!?~お彼岸の日程・意味・お供えなど~
毎年、春と秋、2回訪れるお彼岸。祝日もあって旅行やレジャーと楽しい季節ですが、実はお彼岸の始まりは悪霊の祟りを鎮めるための行事だったという説も。
今回はお彼岸の意味や、お彼岸ですること、ちょっと恐ろしいお彼岸の始まりなど、お彼岸にまつわるあれこれについてまとめました。
お彼岸とは
お彼岸とは、仏教の行事のひとつです。春分の日(3月23日ころ)、秋分の日(9月23日ころ)を中心に、前後の3日ずつを合わせた7日間をいいます。
この時期、お寺では彼岸会が営まれ、それぞれの家庭でもお墓参りに行ったり、仏壇におはぎや牡丹餅などをお供えをします。
2022年秋彼岸の日程
2022年の秋分の日は9月23日(金曜日)です。
従って、2022年の秋彼岸は、彼岸の入りは9月20日(火曜日)、お彼岸の中日は9月23日、彼岸の明けは9月26日(月曜日)となります。
お彼岸の意味
彼岸とは、直訳すると「川の向こう岸」という意味です。
仏教では悩みや苦しみの多い現世、この世を例えて、「川のこちら側の岸」つまり「此岸(しがん)」といいます。対して、世俗を超えた悟りの世界が「彼岸」です。
諸説ありますが、サンスクリット語で「完成する」などを意味する「波羅蜜多(はらみた)」を翻訳した「至彼岸(とうひがん)」が語源といわれています。
仏教では阿弥陀仏の浄土は西の方にあるとされており、日本では太陽が真東から昇り真西に沈む春分・秋分の日は、一年の中でも彼岸に近づく日と考えられてきました。
彼岸に通じやすいこの時期に、至彼岸、すなわち悟りの境地に至るために日頃の行いを慎み、仏教的に正しい行いをする修行の期間がお彼岸というわけです。
なお、国民の祝日に関する法律では、春のお彼岸の中日である春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」とありますが、秋のお彼岸の中日である秋分の日には「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」とあります。
▶▶ 岐阜・大垣・西濃でご葬儀をお考えの皆様へ、「家族葬協会」のお葬式プランはこちら
お彼岸とお盆の違い
お彼岸としばしば混同されやすい仏教行事に、お盆があります。
いずれも、この世とあの世が通じやすくなるといった点では似ている印象もありますが、異なる行事です。
お盆は先祖や亡くなった故人があの世(彼岸)からこの世(此岸)に一時的に帰ってくるのをお迎えする期間であるのに対し、お彼岸は生きている人(此岸)が浄土(彼岸)に近づくため修行をする期間です。
なお、お盆のように先祖や故人を迎え、供養する行事は世界各国にも見られますが、お彼岸の行事は日本独特のものともいわれています。
お彼岸法要の始まり
日本でお彼岸に法要が行われたのは、平安時代。早良親王(さわらしんのう)の鎮魂のためといわれています。
桓武天皇の弟である早良親王は785年、藤原種継の暗殺に関与したとされ捕らえられ、無実を訴えながら、絶食し亡くなりました。しかし早良親王の死後、桓武天皇の近親者が次々と亡くなり、また疫病や天災が起こったため、早良親王の祟りと恐れられるようになりました。
そして806年3月17日、平城天皇が「崇道天皇の奉為に、諸国の国分寺僧をして、春秋二仲月別の七日に、金剛般若経を読ましむ」と勅命を出しました。
崇道天皇というのは、帝位につかなかった早良親王に死後、贈られた称号です。つまり
謀反の疑いをかけられて不遇の死を遂げ、怨霊となった早良親王の霊を鎮めるため、諸国の国分寺に対し、「春秋の七日間、金剛般若経を読みなさい」という命令が出されたのです。
これが今のお彼岸法要のはじまりといわれています。
お彼岸にすること
お彼岸だからといって、「絶対にこれをしなければならい」といったことが決まっているわけではありません。
お仏壇をきれいに掃除してお供え物をあげ、お墓参りに行くというように、お彼岸の供養も、日ごろの供養と大きな差はありません。
また菩提寺があれば、彼岸会などお寺でも行事を行うことも多いので、都合をあわせて参加するのも良いでしょう。
お彼岸のお供え
お彼岸のお供えの代表的なものには、おはぎと牡丹餅があります。
春のお彼岸は牡丹餅、秋のお彼岸はおはぎといわれていますが、牡丹餅もおはぎも明確な区別はありません(大きさや、使用する餡をこし餡にするか、粒餡にするかといった違いがあるという説もありますが、いずれも決定的なものとは言い難いです)。
そのほか、季節の果物や故人が好きだったものなどをお供えします。
もちろん食べ物ばかりではなく、お花やお線香の良い香りも大切なお供え物です。
せっかくのお彼岸ですから、いつもとは趣向を変えて、お線香を普段使っているものから少し変えてみるといった楽しみ方もあります。
まとめ
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もあるように、お彼岸の時期は季節の変わり目でもあります。
その昔、今ほど手軽に旅行に行けるわけでもなく、娯楽も少なかった時代、お墓参りやお寺の行事が人々にとって楽しいイベントだったことを考えると、お彼岸には、寒い冬、暑い夏が終わり一年の中でも最も過ごしやすい時期に日々の生活の中でたまった疲れを癒し、リフレッシュするといった狙いもあったように感じます。