お葬式情報
忌引と忌引休暇~休暇の取り方と日数の目安~
お葬式の日程は土日や祝日とは限りません。平日にお葬式がある場合は、通夜に参列して葬儀・告別式には出席しないということもありますが、家族や親戚など身近な人が亡くなったり、ましてや自分が喪主を務めるとなると、仕事を休まなければなりません。
このような場合、多くの企業では会社のルールとして、休暇を定めています。これらを忌引、または忌引休暇といいます。
今回は、忌引、または忌引休暇についてご説明します。
忌引とは
大切な家族が亡くなると葬儀の準備や出席、役所などでの手続きのため、仕事や学校を休まなければならないこともあります。これを忌引といいます。
もともとは近親者が亡くなったとき、喪に服し引きこもることをいいましたが、現在では喪に服して家に引きこもるということはありません。
忌引で仕事や学校を休んだ場合、通常は欠勤、欠席扱いにはなりませんが、休暇の取得方法や日数など、各企業や学校で異なるため確認が必要です。
忌引と服忌
忌引と似た言葉で服忌(ぶっき)、または忌服(きぶく)というものがあります。親族が亡くなったときに一定期間、喪に服することで、「忌」は死の穢れを避けてこもること。そして「服」は喪服という意味です。
古くは法律で「忌」と「服」の期間が定められていました。江戸時代に五代将軍徳川綱吉が出した幕府公式の服忌令は、明治時代以降も公的に用いられてきました。戦後、そうした法律はなくなりましたが、「忌引」という慣習は各企業や学校などに制度として残っています。
職場での忌引休暇とは
忌引休暇とは、親族が亡くなった時に取得する休暇のことです。
労働基準法では定められていない法定外休暇で、多くの企業では就業規則で年次有給休暇とは別に忌引休暇制度を定めています。結婚や出産など、お祝い事である慶事(けいじ)と合わせて、慶弔休暇といわれることもあります。
各企業が個別で定めるルールのため、休暇を取得できる日数など、忌引休暇制度の内容はそれぞれの企業で異なります。
一般的に、故人との続柄によっても取得できる休暇の日数は異なることが多く、また正社員や契約社員、アルバイト、パートなど、雇用形態によってルールが異なる場合もあります。
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忌引休暇の取得方法
忌引休暇の取得方法も各社のルールに従います。上司への口頭での報告で認められることもあれば、勤怠システムで申請したり、また指定の届けを出すこともあります。
会社によっては、葬儀が行われたことを証明するため、後日、会葬礼状などの提出を求められることもあります。いずれにしても、きちんと定められた手続きを踏まないと、休暇が認められず欠勤扱いとなる恐れがあるので注意が必要です。
忌引休暇を取得する際にはまず上司に連絡し、事情を説明し、休暇を取得したい旨を伝えましょう。
連絡の方法については、口頭、電話、メールのほか、社内で利用しているコミュニケーションツールなどさまざまな方法があります。短時間で、確実に伝えられる方法を選びましょう。
また心配な方がいる場合は、事前に就業規則などを確認し、わからないことは職場の上司や人事担当者に確認しておくと良いかもしれません。
忌引で取得できる休暇日数の目安
忌引で休暇を取得できる日数は、故人との関係(続柄)によっても異なるのが一般的です。
各社でルールは異なりますので、取得する前に確認しましょう。
ここでは一般的な忌引で取得できる休暇の日数を、ご紹介します。
なお、祖父母やおじやおばなどが亡くなり、諸事情によって喪主を務める場合、休暇の日数が増えることもあります。
忌引きの日数の例
・配偶者:10日
・実父母:7日
・子:7日
・兄弟姉妹:3日
・祖父母:3日
・孫:2日
・おじ・おば:1日
・甥・姪:1日
・配偶者の父母:3日
・配偶者の子:3日
・配偶者の祖父母:1日
・配偶者の兄弟姉妹:1日
忌引休暇はいつとるべき?
忌引休暇を取得する際には、葬儀の日程に合わせて取得するのが一般的です。
遠方での葬儀となる場合には、移動にかかる時間も休暇として認められる場合もあります。就業規則をよく確認しましょう。
子供や学生の忌引について
親族が亡くなった時には、子供が学校を休んで葬儀に出席する場合もあります。子供が小、中、高校生の場合、親が学校に連絡し、忌引で休むことを伝えます。
大学生の場合、大学事務所に連絡し休暇の取得方法について確認しますが、最終的な判断は教授による場合もあります。
ペットが亡くなっても忌引になる企業も
近年ではペットを飼っている社員を対象に、気兼ねなくペットと最後の時間を過ごせるよう、ペット忌引休暇を導入している企業もあります。
ペットを家族の一員として感じている人が多くいる中、こうした動きは今後ますます広がっていくかもしれません。
まとめ
忌引休暇は従業員が働きやすい環境を作るために、各社で設けている制度です。
最近では家族葬など規模の小さなお葬式も増えており、親族であっても葬儀に参列しないケースもあります。
ペットの忌引休暇だけでなく、時代に合わせて新しい忌引休暇が次々と登場するかもしれませんね。