お葬式情報
葬儀の流れ ~亡くなってから葬儀、初七日まで~
大切な方が亡くなってから、喪主をはじめ遺族にはやらなくてはならないことがたくさんあります。ここでは臨終から葬儀の準備、通夜、葬儀・告別式、火葬、初七日と、数日の間に喪主や遺族がやらなければならないことを仏式の葬儀を例にご説明します。
なお、火葬を葬儀の前に行うか葬儀後に行うかなど、お葬式の流れは地域によっても異なります。詳細は葬儀の担当者に確認しましょう(この記事では、葬儀後に火葬を行う「後火葬」の流れでご説明しています)。
臨終~逝去
臨終とは、仏教用語の「臨命終時」の略で、死に臨む時を意味しています。
危篤の連絡があったら近しい人に連絡を取ったり、可能であれば大切な人のそばに向かい、最期の時を過ごします。
家族、親戚へ危篤の連絡
医師から危篤と言われたら、家族や親戚、親しい人などに直ちに連絡をします。連絡する先が多い場合は、手分けをして伝えましょう。
また、最近は新型コロナウイルスの影響で、病院側で面会を制限している場合もあります。連絡する際には、面会が可能かどうかも確認して伝えると良いでしょう。
訃報を告げる
逝去されたら、近親者に訃報を伝えます。この時は亡くなった事実を告げるだけで問題ありません。通夜や葬儀の予定については葬儀社との打ち合わせの後、場所や日時が決定してから改めて連絡します。
また、菩提寺(お墓のあるお寺)がある場合は、菩提寺へもなるべく早い段階で連絡します。
菩提寺がない、または遠方にあって通夜や葬儀をお願いできない場合などは葬儀社からお寺を紹介してもらうことも可能です。打ち合わせの際に宗旨・宗派を伝え相談してみましょう。
末期の水を取る
脱脂綿やガーゼなどを棒の先に固定し、水を含ませて故人の口元を湿らせます。息を引き取る間際、または亡くなった直後に行う習わしで、「死に水を取る」とも言います。
昔は筆の穂先を水で濡らして行っていましたが、今は末期の水に必要なものが一式そろったセットもあります。
清拭・エンゼルケア
病院で亡くなると、看護師がご遺体をアルコールで拭くなどして衛生的な処置を施します。これを「清拭」、または「エンゼルケア」「ご遺体の処置」と言います。
死亡診断書(死体検案書)の受け取り
医師から死亡診断書(死体検案書)を受け取ります。死亡診断書(死体検案書)は、医学的、法律的に死を証明する大切な書類で、死亡届を提出する際にも必要です(死亡届は死亡診断書と一体になっています)。
病院などで医師の管理下で亡くなった時には死亡診断書が、それ以外の場合には死体検案書が交付されます。
なお、自宅療養中に亡くなった場合であっても、生前に診療していた病気や怪我に関連して死亡した場合には死亡診断書が交付されます。
葬儀の準備
葬儀の準備は葬儀社を選ぶことから始まります。やらなくてはならないことがたくさんあり、大変そうですが葬儀社が決まってしまえば、ある程度は葬儀社が対応してくれます。
ここでもっとも大切なのは信頼できる葬儀社を選ぶことと言えるでしょう。
葬儀社を決める
葬儀社の探し方にはインターネットで検索するほか、病院や施設の紹介、親族や知人の紹介などがあります。
また、これまでに参列した葬儀で印象に残っている葬儀社に連絡するという方もいらっしゃいます。葬儀に参列する際には、葬儀社名を確認しておくともしもの時に役立つかもしれません。
【ポイント】
病院などでは亡くなってから急いでご遺体を搬送(ご遺体を病院や施設などから安置先へお連れすること)するようにと言われることもあります。
どうしても葬儀社が決まらない場合は、まず搬送のみを葬儀社に依頼し、ご遺体をゆっくりできる場所に安置してから改めて他の葬儀社を選ぶ方法もあります。
ただし、各社の葬儀プランは搬送も含めた料金がほとんどです。搬送と葬儀を別の葬儀社に依頼した場合、全体の葬儀費用は高くなる可能性がありますので注意が必要です。
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搬送
病院で亡くなった場合、ご遺体をご自宅や斎場、専用の施設など安置先にお連れします。ご遺体の搬送は通常、葬儀社が専用の車(寝台車)で行います。
葬儀社を選んだらまず安置先を決定し、搬送を依頼しましょう。搬送にかかる費用は距離などによっても異なります。
安置
安置先に到着したらご遺体を安置し、枕飾りを用意します。自宅ではなく葬儀社の安置施設などに安置する場合は、故人との面会が可能な時間やその時に必要な手続きなど確認しておきましょう。必要に応じて近親者に安置先を伝えます。
葬儀の打ち合わせ・見積もり
葬儀の担当者と葬儀の日取りや内容について、打ち合わせを行います。葬儀の日取りは喪主の希望、菩提寺の住職の都合や葬儀会場、火葬場の空き具合によって決定します。
参列者数によって葬儀の規模も異なりますので、葬儀に誰に来てほしいか、おおよその人数を把握しておくと良いでしょう。
香典返しやお清めの料理も打ち合わせの際に選びます。お葬式の内容が決まったら見積もりを出してもらい、問題がなければ正式に依頼します。
死亡届の提出
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から3か月以内)に提出する必要があります。
提出先は、亡くなった方の死亡地、本籍地、または届出人の所在地の市役所、区役所、町村役場です。死亡届が受理されると火葬許可証が交付されます。
死亡届の提出は葬儀社が代行するケースも多いので、詳しくは葬儀社に確認しましょう。
葬儀の連絡
葬儀の日取りが決まったら、菩提寺や近親者、葬儀に参列してほしい方たちに連絡し、場所と日時を伝えます。
納棺
通夜の前までに、ご遺体を棺に納めます。これを納棺と言います。納棺の際にはご遺体をきれいにし、仏衣(死装束)を着せ、死化粧などを施します。
この時、オプションで湯灌(ゆかん。専用のお風呂でご遺体をお湯で洗い清めること)をしたり、また納棺の一連の流れを儀式として納棺師が行うこともあります。詳しくは葬儀社に確認しましょう。
故人を棺に納めたら、愛用品などを棺に入れます。これを副葬品と言います。火葬炉の関係で棺に入れて良いもの、入れてはいけないものがありますので、こちらも葬儀社に確認しましょう。
通夜、葬儀・告別式、火葬、初七日
通夜、葬儀・告別式では喪主のやらなければならないことはたくさんあります。
通夜
通夜では僧侶による読経が行われ、弔問客による焼香があります。焼香が終わると喪主が弔問客に挨拶を行います。地域によっては通夜の後、通夜振る舞いがあります。
喪主は通夜の前に祭壇や供花、芳名板の並び順、弔電などを確認します。また、通夜の後には翌日の葬儀について集合時間などを確認します。
葬儀式場によっては、喪主や遺族が一晩中、故人と共に過ごせるところもあります。
葬儀・告別式
故人をあの世に送る宗教的な儀礼を葬儀、会葬者が故人とお別れを告げる式を告別式といいます。現在では葬儀と告別式を明確に分けることなく続けて行うのが通例です。ふたつをまとめて単に「葬儀」または「告別式」ともいいます。
出棺
告別式終了後、喪主や遺族、会葬者で、棺の中のご遺体の周りを花で飾り、棺にふたをします。喪主の挨拶の後、棺を霊柩車に乗せ、出棺します。
火葬場に向かう際には、喪主が位牌を、遺族の代表者は遺影を持ちます。
火葬
火葬場では炉前で最後のお別れをし、炉の中に棺を納めます。喪主は、火葬が終わるまで控室などで僧侶や会葬者をもてなします。
火葬終了後は遺骨を骨壺に移します。これを「収骨」、または「骨上げ」といいます。
関東ではすべての遺骨を骨壺に納めるのに対し、関西では遺骨の一部を骨壺に納めます。そのため、関東と関西では骨壺のサイズも異なります。詳しくは葬儀社に確認しましょう。
初七日
仏教では人が亡くなってから49日間を中陰といい、この期間は7日毎に故人のために追善供養を行います。初七日は故人が亡くなって7日目に営まれる最初の法要です。
最近では日程を繰り上げて、葬儀・告別式の当日に初七日法要も行うことが一般的です。これを「繰り上げ初七日」といいます。
まとめ
臨終から葬儀後の初七日法要まで一連の流れを簡潔にまとめました。
これらの流れは喪主がやらなければならないこともたくさんありますが、きちんとした葬儀社を選べば最後までしっかりとサポートしてくれるので問題はありません。
お葬式を納得のいくものにできるかどうかは、葬儀社選びにかかっていると言っても過言ではないでしょう。可能であれば事前相談をして、あらかじめ葬儀社を決めておくことをお勧めします。