お葬式情報
費用を抑えて納得のいくお葬式をする3つのポイント
お葬式について考える時、一番気になるのは葬儀費用のことではないでしょうか?かつて葬儀といえば「法外な値段を吹っ掛けられる」という負のイメージがありました。
近年では各葬儀社が葬儀プランや費用をインターネットなどで明確に打ち出し、以前のような不明瞭さはなくなりました。しかし、情報が多すぎたり、同じようなプランでも各葬儀社で内容が違ったり。費用を抑えようとしたために大きなトラブルになってしまうなど、かえって混乱を招くケースも少なくありません。
そこで今回は、葬儀費用を抑え、無駄な出費を省きながら納得できる葬儀を行う方法についてご説明します。
葬儀費用を抑えるための3つのポイント
お葬式にかかる費用を上手に抑えるには、次の3つのポイントがあります。時間の余裕がない場合は、①のお葬式のイメージは②葬儀の事前相談で葬儀社の担当者と一緒に考えても問題はありません。
ひとつずつ、順番に見ていきましょう。
①希望のお葬式をイメージしておく
ご自分、または大切なご家族のお別れについて、どんなお葬式が良いか想像してみましょう。葬儀にはどんな方に集まってほしいのか?会場はどこにするか?など、細かいことを具体的に考える必要はまだありません。緩やかな気持ちで「こんなお葬式だったら良いな」くらいのことを思い浮かべてみてください。
「こんなお葬式にしたい」という希望が思いつかないときは、反対に「こんなお葬式にはしたくない」ということを考えるのでもかまいません。
漠然とでも方向性をイメージしておくことで、葬儀の見積りをとる際、必要なものと不要なものを決めやすくなります。
インターネットで検索すれば、お葬式に関する情報もたくさん見つかります。画像など見るとイメージもふくらみやすいかもしれません。
また、思いついたことを箇条書きにしておくと、後々便利です。エンディングノートなど終活に役立つアイテムを活用しても良いでしょう。
▶ 正しいエンディングノートの選び方 ~終活に必要な7つのポイントとは?~
②葬儀社に事前相談をして見積りを出してもらう
事前相談をする場所を選ぶ
お葬式のイメージが浮かんだら、今度は実際に葬儀社に相談してみましょう。これを葬儀の事前相談といいます。
インターネットで近くの葬儀社を調べたり、近隣にセレモニーホールがあれば足を運んでみても良いでしょう。「事前相談受付中」といった案内が出ていることもあるので、受付に尋ねてみましょう。場合によっては式場でお通夜や葬儀が営まれていることもあります。あらかじめ連絡をしてから相談に行くと、間違いがありません。
家を空けられない、葬儀社に足を運ぶのには抵抗があるという場合は、担当者に自宅に来てもらったり、近くの喫茶店などで話を聞くこともできます。ご自身が落ち着いて話を聞ける環境で相談しましょう。
事前相談で相談すべきこと
事前相談では、お葬式についての希望や、不安に思うことなどを伝えましょう。漠然とした希望でもかまいません。それらを踏まえて、最適な提案をしてくれます。
お葬式のかたちが決まったら、次は見積りを出してもらいます。この時、その見積りには何が含まれているのか?追加で費用が発生するとしたらどのような場合か?など、少しでも疑問に思ったことは、きちんと確認しておきましょう。
その上で、それぞれの項目について、本当に必要かどうかを考えてみると、無駄がなくご自分で納得のできるお葬式の費用がわかります。
事前相談は1回だけというわけではありません。一度もらった見積りをご家族で見直して、日を改めて相談に行っても良いでしょう。
「事前相談は不安」という場合の対処法
新型コロナウィルスの感染予防のため、最近ではパソコンやスマートフォンを使って、Webでの相談を受けている葬儀社もあります。対面での相談は控えたいという場合にはその旨を伝えましょう。
また、一度でも葬儀社に連絡してしまうと「営業され、後から断れなくなるのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。何社かの葬儀社に相談して、一番自分に合った葬儀社を選ぶ人もたくさんいます。希望に合わないと思ったら、断っても問題はありません。
いきなり事前相談に行くのは不安という場合は、お葬式の勉強会や葬儀式場の見学会など、葬儀社が主催するイベントに参加してみても良いでしょう。
コロナ禍でイベントを中止している場合、電話で相談することも可能です。お葬式に関するさまざまな疑問や不安について質問してみましょう。
③会員制度を利用してお得な特典を上手に使う
葬儀社によっては会員制度を設けていて、入会するとさまざまな特典を受けられます。葬儀費用が割り引かれたり、式場使用料が安くなったり。もしもの時の負担を軽減できる特典がそろっています。
地域密着型の葬儀社では、近隣のお店などと提携していて、葬儀社の会員になることで、食事や買い物が割引になるといった特典が用意されていることも。事前相談でそうしたサービスについても確認しておきましょう。
入会金や年会費が無料というところもあるので、聞いてみると良いでしょう。初回の入会金は必要でも、もしもの時には葬儀費用から差し引かれるので実質0円というケースもあります。
【ワンポイント】事前相談では具体的に何を教えてくれるの?
事前相談では、お葬式の費用や流れ、準備しておいた方が良いこと、さらにお葬式の後に必要な手続きやお墓、仏壇、遺品整理など、終活に関連する相談に幅広く対応しています。
相続など専門的な知識が必要な分野も、専門家を紹介してくれるなどの対応を行っているところもありますので、どんどん質問してみましょう。
すでにほかの葬儀社や互助会の会員になっている場合でも、その旨を伝えれば解約の方法についても相談に乗ってくれます。
葬儀費用を安くしようとして失敗しがちなことと、トラブルを回避するには
インターネットでは格安の葬儀プランなども多数紹介されています。ただ、とにかく値段だけを見て、格安な葬儀プランを選ぶと後々トラブルになったり、かえって高くついてしまうケースも少なくありません。
格安なプランには、格安でできる理由があります。プランに含まれている内容をよく見て、希望に沿っているか?足りないものはないか?を見極める必要があります。
格安のプランには霊柩車の搬送距離や祭壇の有無、棺のグレードなど数々の制約が設けられているのが一般的です。
もしも自分の希望にそぐわない場合は、オプションでカバーできるか?またはほかのプランにした方が良くはないか?考える必要があります。ご自分で判断するのが難しい場合は、きちんと葬儀社に確認し、アドバイスを求めましょう。
大切なご家族を失って、精神的なダメージも大きい中、短時間で葬儀社を決めなくてはならない場合などは特に、注意が必要です。
葬儀費用の負担を軽減する制度を利用する
葬儀後に申請することで、葬儀費用の一部をまかなえる制度もあります。
国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入していた被保険者の葬儀を行った場合、自治体に申請すると葬祭費が支給されます。支給額は自治体によって異なります。
なお、格安の葬儀プランで直葬や火葬式を行った場合、自治体によっては葬祭費の支給が認められない場合もあるので注意が必要です。
また、健康保険組合や共済組合の被保険者が亡くなった場合は埋葬料が、その扶養家族が亡くなった場合には家族埋葬料が支給されます。
このほか、故人や葬儀を行う喪主が生活保護を受けていた場合、葬祭扶助を申請することで実質負担なく火葬式を執り行えることもございます。
こうした制度の利用や申請についても、事前相談の際に葬儀社に確認しておくと、もしものときも安心です。
まとめ
葬儀に関する情報は今、インターネットを使って簡単に得ることができます。しかし、それらの情報の多くは一般論で、ご自身の状況に必ずしも一致するとは限りません。
特に葬儀は各家庭の事情によってその内容も大きく異なります。
不適切な情報を鵜呑みにするのではなく、ネットの情報はあくまでも参考として、きちんと葬儀社の事前相談を受けることが、費用を抑えて納得のいく葬儀を行う一番の近道といえるでしょう。