お葬式情報
家族葬とは?~特徴、参列者数の目安、費用や流れなど~
家族葬とは家族や親族そして故人と親しかった人たちを中心に、つながりの深い人たちで送るお葬式です。心のこもったお別れができると、多くの人に選ばれるお葬式のかたちで、昨今の葬儀のスタンダードになりつつあるとも言えるでしょう。ここでは家族葬の特徴や、費用、流れなどについてご説明します。
家族葬の特徴。家族葬はお葬式本来の姿
家族葬の特徴は、故人と親しい人たちで送るという点です。あまりなじみのない人も参列に訪れる一般的な葬儀と比べ、喪主や遺族の負担も少なく、ゆっくりとお別れができるという特徴があります。
家族葬を選択する人も増えており、一般葬や一日葬、火葬式といくつかある葬儀の種類の中でも、主流のお葬式と言っても過言ではないでしょう。故人と縁の深い人たちで送るという葬儀スタイルは、ある意味お葬式の本来の姿ともいえます。
家族葬の参列者
家族葬の参列者に、明確な定義はありません。一般的には故人の家族や親族、また親しい友人や知人など生前、故人と深くかかわりのあった人が中心となります。家族葬だからといって、家族以外の方が参列してはいけないわけではありません。
家族葬の参列者数の目安
参列者の人数にも決まりはなく、10人未満の場合もあれば、50名以上、100名近い方が集う家族葬もあります。ただ、一般的には家族葬というと、参列者数は20名前後から30名くらいが多いようです。
家族葬の参列者の大きな特徴は、参列してほしい方に連絡ができるという点です。どなたが参列するか、ある程度は事前に把握できるので、通夜や葬儀の席での喪主や遺族の負担も軽くなります。
家族葬の訃報の注意点
一方で、不特定多数の人に訃報の連絡が届かないように配慮も必要です。気になる場合は葬儀社に確認してみましょう。
故人の生前の交友関係が広く、家族葬をお知らせしきれなかった場合には、後日、落ち着いてから事後報告の案内や喪中はがきなどでお伝えしましょう。事後報告の案内のタイミングは家族葬が終わってから数日後、または四十九日などがあります。
家族葬の費用
家族葬の費用は、使用する葬儀式場や祭壇の大きさ、参列者の人数などによっても異なります。多くの葬儀社で家族葬のプランを用意しており、ホームページなどで価格も公開しているので参考にしましょう。
この時、単純に金額だけで比較するのではなく、その家族葬プランには何が含まれているのか(何が含まれていないのか)も、確認しておくことがポイントです。わからないことは電話で聞いたり、可能であれば事前相談を受けてみても良いでしょう。
なお、日本家族葬協会では「家族葬プラン」598,000円(税込657,800円)、「家族葬シンプルプラン」398,000円(税込437,800円)をご用意しています。
家族葬のできる式場
家族葬は、葬儀社が運営するセレモニーホールや公営の斎場などで行うのが一般的です。もちろん自宅で行うことも可能です。
葬儀式場の中には、家族葬専用ホールというように、10名から30名くらいの参列者にふさわしい規模の式場を用意している場合もあります。
またコロナ禍では、参列者の少ない家族葬であっても、やや大きめの式場に間隔を空けて椅子を並べるなど、状況に応じて設営されています。
家族葬の流れ
家族葬の通夜、葬儀・告別式の流れをご説明します。なお、臨終から家族葬までの全体の流れは、逝去の後、ご遺体の搬送、安置、納棺、通夜、葬儀・告別式、火葬、初七日で、一般的な葬儀の流れと大きな違いはありません。
また、通夜の後、葬儀の前に火葬をする地域もあります。
*ここでは仏式の一般的な家族葬で、葬儀の後に火葬をする「後火葬」の流れでご説明します。
家族葬の通夜の流れ
家族葬の通夜は次のような流れで行われます。地域や宗旨・宗派によっても違いがあります。
家族葬の通夜の流れ
1,着席
2,導師入場、開式
3,読経、焼香
4,喪主挨拶
5,閉式
6,通夜振る舞い
通夜の始まる10分くらい前には会場に着席し、導師の入場を待ちます。焼香は、喪主、遺族、親戚、そして弔問客の順に行います。
通夜の後の食事は、地域によってすべての弔問客に振舞うこともあれば、遺族など身内や故人と親しかった一部の人で行うこともあります。地域性がありますので、葬儀社に確認しておきましょう。
家族葬での葬儀・告別式の流れ
家族葬での葬儀・告別式は次のような順序で執り行われます。地域や宗旨・宗派によっても違いがあります。
家族葬の葬儀・告別式の流れ
1,着席
2,導師入場、開式
3,読経、引導
4,弔辞、弔電の奉読
5,焼香
6,導師退場
7,出棺の準備
8,お花入れ・お別れの儀
9,喪主の挨拶
10,出棺
1,着席
葬儀の始まる10分くらい前になると、葬儀社のスタッフから案内があります。着席して導師の入場を待ちます。
2,導師入場、開式
準備が整うと、導師入場の案内がありますので、合掌でお迎えします。
3,読経、引導
葬儀では導師が読経し、引導を渡して死者の魂を浄土へと導きます。宗派によっても違いがあります。
4,弔辞、弔電の奉読
故人と関係の深い人が弔辞を述べ、寄せられた弔電を葬儀社の担当者や司会が奉読、紹介します。
遺族は弔辞を述べる人をあらかじめ決め、依頼しておく必要があります。また弔電が多数届いている場合は、奉読する弔電を選んだり、紹介する順番を決めて葬儀担当者に伝えます。
なお、家族葬の場合、弔辞や弔電の奉読が行われない場合もあります。
5,焼香
喪主、遺族、親族の順に焼香をします。焼香の作法は宗派によっても異なりますが、事前に葬儀社からアナウンスがある場合は、その指示に従いましょう。
6,導師退場
焼香が終わると、導師が退場し、葬儀・告別式は閉式となります。
7,出棺の準備
出棺の前には、棺を式場の中央に移動するなど準備が必要なため、遺族や参列者は一時的に部屋の外に出て待機します。
8,お花入れ・お別れの儀
棺のふたを開け、故人の周りに花を入れていきます。故人の愛用の品などを入れ、棺にふたをします。
9,喪主の挨拶
喪主、または遺族の代表者が挨拶をします。故人に代わって生前の親交や葬儀への参列に感謝の意を伝えます。
10,出棺
棺を式場から移動し、霊柩車へ乗せて火葬場に向けて出発します。
家族の香典や供花は辞退するべき?
家族葬では香典や供花を辞退するということを聞いた方もいらっしゃるかもしれません。実際には、「家族葬だから香典や供花を辞退しなければならない」という決まりはありません。しかし、喪主や遺族の意向でそれらを辞退することはあります。
家族葬の受付
家族葬の規模にもよりますが、参列者数が少なく、また参列者のすべてがお互い良く知っている身内という場合は、受付がない場合もあります。
受付に用意された芳名帳に、参列者がそれぞれ記入だけはするといったケースなど、それぞれの家庭によってさまざまです。葬儀の打ち合わせの際に葬儀社に確認しましょう。
なお、受付がない場合、参列者からの香典は誰が受け取り、管理をするのかといったことも考えておく必要があります。
家族葬の香典
家族葬の場合、香典も受け取るか辞退するか判断に困る場合があります。香典を受けるかどうかは喪主の判断によります。
香典を辞退すると決めた場合は、例外を設けずすべての香典を辞退するなど、後々トラブルにならないよう参列者の間で不公平感がないように配慮が必要です。
家族葬の供花
供花も、家族葬だから供花は辞退するといった決まりはありません。供花を受けるかどうかも喪主の判断によります。供花として受け取るのではなく、供花の費用で祭壇に飾る生花を増やすといったケースもあります。
まとめ
近親者が中心となって行う家族葬は、遺族の希望や、親族の状況などに合わせて柔軟に対応できるという魅力もあります。「家族葬だからこうしなければならない」のではなく、「家族葬だからこんなお葬式にしたい」と希望を葬儀社に伝えてみましょう。
ただし、家族葬なら何をしても許されるというものでもありません。親しい人同士が集まる葬儀だからこそ、守るべきマナーもあります。
家族葬をお考えの方は、もしもの時に慌てないためにも、時間に余裕のある時に葬儀社で事前相談を行っておくことをお勧めします。